いつだって先の読めないあなただから、

こんなにも一緒にいたいと思っている























わたしの小指あなたの星

























何の気なしにわたしが見ていたドラマがきっかけだったと思う。

竜崎は絶対に興味を示さないだろう、メロドラマだ。

竜崎が仕事をする部屋とは離れた所で、わたしは音量を最大に小さくして見ていた。

そのドラマは毎週欠かさず見ていたもので、

いくら竜崎に呼ばれたからと言って、わたしは見るつもりだった。


断ったところで竜崎の我侭が出ることは承知していたから、

わたしが見ている間は、2人ともそれぞれに専念するという約束でわたしはここに居る。



『僕と・・・・・・結婚してほしい』



そう言って手渡した小さな箱に、相手役のヒロインは涙を流した。

ありがちな展開だとは分かっていても、見惚れてしまう。

自分もいつかはこのようは瞬間に出くわすのだろうか。


いいなぁ、と知らず知らずのうちに呟いていたのだと知った。


「はこーゆうシチュエーションが好きなんですか?」



いるはずのない人物の声を聞いて、わたしは小さく悲鳴を上げた。



「な、にしてるの?竜崎・・・・・ってゆうかびっくりした」

「すいません、驚かせるつもりはなかったんですけど」

「うん、仕事は?終わったの?」

核心を突かれて竜崎は言い淀んだ。


「その・・・・・・」

「それぞれに専念するっていう約束よ?」

「それはそうなんですが」


珍しく優位に立てた事が嬉しくて、わたしは竜崎を見つめた。

ドアに立ち尽くした竜崎をしばらく眺めていたが、

何だか可哀想になってきて、わたしは竜崎を呼び寄せた。


座っていたソファーに近づくと、竜崎はおずおずと腰を下ろした。

目の前の箱では、まだヒロインが感激の言葉を言っている。

竜崎はその様子をちらりと見やると、こちらを振り返った。



「意外にロマンチックなんですね」

「なによ、意外って」

「いえ、もっと現実的なのかと思いました」

「わたしだって女の子ですから」

両目を瞑ってつんと横を向くと、焦ったように竜崎が覗き込んできた。

そして「ちょっと待ってください」と言うと部屋を出て行った。


竜崎が出て行ったドアを見ていると、ワタリさんを呼ぶ声がする。

そしてバタバタと足音がして、数分後に戻ってきた。


「どうしたの?」

聞いても竜崎は笑うだけでまたソファーに座った。

「手を出してください」

わたしは手のひらを出すと、竜崎はそれをひっくり返した。

竜崎が取り出したのは赤い毛糸で、それをわたしの小指に括りつけた。



「・・・・・・?なんのつもりよ」


手を持ち上げて目の前に掲げると、竜崎は毛糸の先を引っ張った。

「見てのとおり、運命の赤い糸です」

竜崎の口からは絶対に出ることがないだろうと思っていた言葉に、

わたしは目を丸くしてから噴出した。


「私はふざけているつもりはありませんよ」


少し怒ったように口を尖らせたので、そこに唇を重ねた。

「知ってるわ。ただ嬉しいだけ」

もう一度小指を見て、それを竜崎の前に差し出した。


「わたしの影響を受けてるってことでしょ?」


わたしの言葉に今度は竜崎が目を丸くして「そうですね」と顔を綻ばせた。

「の色に染まりそうです」

小指に絡まった赤い糸の結び目を、竜崎はそっと撫でた。

触れたいという衝動に駆られて、わたしは竜崎に抱きついた。

ピンと張られた赤い糸に、心地よい痛みを覚えて

それでも竜崎は手を放すことをしなかった。



わたしと竜崎を繋いだとても細いがたとえ切れてしまっても、

「大丈夫」と言って笑うだろう。


「好きよ、竜崎」


小さく呟いた声に、竜崎の肩も小さく揺れた。


































竜崎は赤い糸を信じないと思う・・・・・ので。
やっていただきました。
ちょっと書かない間に書き方を忘れてしまった。








05/2/7

















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