いつまでも一緒にいたい。 それは絶対に言ってはいけない言葉。 それを愛と呼ぶなら 「ケビン!」 小さなテニスコートの二人掛けベンチ。 ここがいつもの待ち合わせ場所。 「そんな大きな声で呼ぶな」 苦笑いをして俯いた。 陽に透けた髪がすごく綺麗だった。 「今日は何を教えてくれるの?」 「それは空振りをしないようになってからだな」 ガットの張り具合をみて、それをわたしに渡した。 「座らないの?」 「この間も同じ事言ってたな」 「そうだっけ?」 ケビンのパーカーの裾を引っ張ると、ケビンは笑った。 「の好きなようにしろ」 それが諦めの言葉じゃないことは解っている。 「寒くなってきたね」 頬をなでる風が冷たい。 首を竦めると、横から手が伸びてきた。 きつく手を握られて、わたしは何だか不安になった。 「テニス……しよっか」 「今日はすぐにへばるなよ」 「大丈夫だもん」 コートに行って、向かい合った。 ケビンがボールを放つ。 「そんな端っこの方に打たないでよ!」 「文句言ってないで走れ」 ようやく追いついたボールを返すと、 今度はすいつくようなボールを返してきた。 しばらくラリーを繰り返して、わたしはすっかりへばってしまった。 座り込んだわたしは、涼しげなケビンを見上げた。 差し出された手を取って、立ち上がった。 えへへと笑うと、不器用に笑った。 いつも会えるわけではないから。 ケビンはわたしの事を優先してくれる。 だから何かをしてあげたいと思う。 横顔を見ると、何だか嬉しそうだった。 揺れている手に触れると、ちらりとこっちを向いて握り返した。 肩を寄せて歩いた道に、二人の足跡が残った。 ++++++++++++++++ 梨花様からのリクエスト。 初ケビンです。 何気なくしか見てなかったので、 偽者に………。 梨花様のみお持ち帰りOKです。 04/11/7
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