知ってたよ。誕生日だって。

だけどさ、恥ずかしいじゃん?正面から言うのって。

可愛いくおめでと!なんて言えたらいいけど。

そんな自分をちょっとキモイなんて思っちゃうんだから仕方がない。
























オ メ デ ト !



























わたしには彼氏がいて

生まれて初めての彼氏で

名前を、切原赤也くんといいます。

とても恰好いいです。

ワカメ的髪の毛とか。

たまーに笑った顔とか。

すましてる顔とか。







けど、どうしよう。









「あれー?なにしてんの?」

教室の一番うしろで地べたに座ってたわたしに、

ゆうちゃんは腰に手をあてて言った。


気づいてたけど、わざと気づかない振りをした。

だって恥ずかしいもん。



「今日って切原の誕生日でしょ?」

わざとらしいジェスチャーで、わざとらしい笑顔。

それじゃあ「に」のつく先輩みたいだよ。





「ウッサイ!知ってるよ。そんなこと」

威嚇してみたけど、ゆうちゃんは面白そうに笑っただけ。

本当はプレゼントも用意してるんだ。

シルバーのネックレス。

ちょっぴりゴツイやつ。





「可哀想に。切原くん」

「なんで」

「誕生日なのに彼女からおめでとの一言もないなんてさ」

「・・・・・。言うもん」

「いつ?」

「・・・・」




ゆうちゃんはちょっと上を向いて、そしてわたしの隣に座った。

そして耳かして!と言ってなにやらごにょごにょ・・・


「そ、そんな恥ずかしいことできない!!」

「でも彼女はやってるじゃない」

「あ、あれは・・・」







「ー!!」

なんというタイミング。

赤也くんがドアの前に立ってた。

教室の隅っこで座りこんでるわたしたちを見ると、

いつものすました顔でこっちに来る。



「んじゃあうまくやるのよ!!」

「で、できないよ!!」



ゆうちゃんはにひひと笑うと、自分の席に戻って行った。




「あー、おはようございます」

「なにしてんだよ。待ってたのによぉ」

少し顔を歪ませて、赤也くんはわたしの前に座った。





言うの!?言わなきゃだめなの!?





「他の子にもってかれてもしらないよ?」





わかってるよ。それくら。






わたしは少し俯いたあと、キッと赤也くんを見た。

「ダ、ダーリン誕生日オメデト!」

頭に角の生えた彼女をイメージしたのだけど、

そうとうすべったらしい。

赤也くんはきょとんとしてわたしを見てる。



きゃー!誰か助けて!

普段こんなことを言わないわたしだから、

引いちゃったかな。


依然ちょとんとしてる赤也くんを見た。

その顔も恰好いいけどさ。



黙っていた赤也くんは何を思ったのか、

いきなり抱きついてきた。

わたしはわけの分からない言葉を発する。





「おまえなー、こーゆうのは俺と二人でいるときに言えよ」

赤也くんはやべーといいながら体を離した。

「俺もう自分の教室帰るわ」

最後までやべーやベーと赤也くんは言っていた。




「見た!?今の切原!!」

駆け寄ってきたゆうちゃんに、なにがと返す。

「そうとうマイってるね。あれは」

ふふん、とゆうちゃんは満足気に笑った。




制服のポケットに入れたままのプレゼントは渡せなかった。

でも帰りに言えばいっか。

今度は自分の言葉でいいたいし。



おめでと・・・・って。



















+++

赤也おめでとー!(遅い)
いくつになったのかなんて気にしないよ。
永遠の中学2年生だもの。
ダーリンは、もちろんだっちゃ!のマネ。







04/9/28
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