「恋ィィィィ――――!?」
畳が動いたかと思う程の絶叫と振動

















好きになってしまったわ


















いつものミーティング、最後に近藤が「何か言いたい奴はいるか」と言った時、 目の前で沖田が手を上げた。珍しいこともあるもんだと、近藤は沖田を指名した。 沖田は今日の朝ご飯は納豆でした。とでも言うようなノリで、「恋をしました」と言った。

「熱でも出たか・・・・?総悟」
「ひでーや土方さん、斬られたいんですかぃ?」
そんな2人のやり取りよりも、周りが一番気にしていたこと。
目の前の近藤の、呆れるぐらいベタなリアクションだ。

「こ、こここここここ恋だとォォォーーー!!」

いきなり立ち上がると、咽び泣き出し手を高らかに上げる。
それを呆気にとられて見る真選組一同。

「そんなに珍しい事でもないでしょう?ねぇ土方さん?」
「いや、総悟。お前にとってはそうかもしれねぇが・・・」
「誰にとってですかぃ?」
「後ろをよーく見てみるんだな」
沖田が周りを振り返ると、リアクションはそれぞれだが、一同に驚いていた。

「別に何も変わりませんぜ」
「オメ―の目は節穴か?」
「うるせーぞコノヤロ土方」
「言いてぇことがあんならこっち見ろ!」

「うをォォォォ!!ついに総悟も恋をしたかァァァ!!」

「近藤さん、落ち着けよ」
「うむ、すまない」
近藤は座りなおすと、改めて沖田をまじまじと見た。
「それで?相手は誰だ?」
「万事屋んとこの・・・・」
「チャイナ娘か!?」
「土方さん本気で斬りますぜ?」
「わかったよ、そんで?」
「最近あそこに住み着いてる娘さんがいるんでさァ」
「よし!」
「どこ行くんですか?近藤さん」
「決まってるだろ、見に行くんだよその娘さんを。そしてお妙さんにも会いにいく」
「リョーカイ、お前らも立て!」
ぞろぞろと立ちあると、屯所を後にした。


「来てみたのはいーけどよぉ」
「なんだ、トシ」
「どーやって見るんだ?近藤さん」
「やはり玄関からが妥当だろう」
「妥当もなにもいきなり俺たちが行ったらとか考えねーのかよ」
「土方さんが行って来てくだせぇよ」
「オメ―の用事で来たんだろうが!総悟!!」

「ったくうるせぇんだよ!朝っぱらから!」
万事屋のドアが勢いよく開き、下にいた彼らを見下ろした。
「どこの誰かと思ったら、真選組の皆様じゃないですかぁ」
「うるせーよ、相変わらず死んだよーな目ぇしやがって」
「余計なお世話っつーんだよ。瞳孔開いてる奴にゃあ言われたくねぇな」

「あのぅ・・・・・・」
ずらりと並んだ真選組の後ろで、何やら小さな声がした。
「おー!!やっと帰ったか」
銀時が手を上げ、そちらを見た。
「ん?うをッ!!どーした?総悟ォォ!!」
近藤が沖田の肩をぶんぶんと揺さぶる。
沖田は口を一文字に閉じ、顔を真っ赤にさせながら真正面を見ていた。

「銀さーん!また何かやったんですかぁ?」
「知らねぇよ、コイツらに聞いてくれ」
「あのー。通ってもいいですか?家に入りたいんですけど」
「あなたがッ!!あなたが総悟の・・・・ッ!!」

近藤がに走り寄ると、は一瞬たじろいで、数歩下がった。
「総悟・・・・・?あぁ沖田さんのことですか?」
にこりと笑いかけると、近藤は僅かに頬を染めて、頷いた。
「先日は沖田さんが危ない所を助けてくださったんです」
は一礼すると、前の方で固まっている沖田に気が付いたようだった。
「あ、沖田さんじゃないですか!」
大きな紙袋が音を立てる。それを両手で抱えながら、は沖田に近づいた。

「先日はありがとうございました」
が一礼するのにも関わらず、沖田はまだ正面を見たままだ。
「沖田さん?」
が不思議そうに首を傾げる。

土方はその様子を信じられないような目で見ていた。
そして肘で沖田をつつくと、沖田はようやく我に返ったようだった。

「こ、こ、こ、こ、これは殿、ご機嫌麗しゅうッ!」
直角に頭を下げる沖田。誰もが信じられない目で見ていた。
「ふふふ・・・・沖田さんて面白いですねぇ」
が口元に手を当てて笑った。
近藤は再び咽び泣きをした。

「おい!!さっさと上がって来い!」
銀時が待ちきれないと言うように声を上げた。
「あ、はーい!今行きます」
は一礼をすると、階段を上がって、ドアの中に消えた。

「大丈夫か?総悟」
やっと緊張が解けた沖田に、土方が声をかける。
「なんのことでさァ土方さん」
「とぼける気かよ!今のはとぼけらんねーよ!」
「総悟・・・・・」
近藤が沖田の肩に手を置いた。
「片思いは辛いぞ?」
「近藤さん・・・・」
見詰め合う近藤と沖田―――
「アンタのは片思いにもなってねーよ」
すかさず土方が突っ込みを入れる。


そこ頃万事屋内では。
「真選組の奴等なんの用事だったんだ?」
「きっとここを乗っ取る気アルね」
「神楽ちゃん、物騒なこと言わないで」
「でもさん?」
「なぁに?新八くん」
「何でそんなに顔赤くしてるんですか?」
はテーブルにお菓子を並べていた手を止めた。
「そ、そんな事ないわよねぇ?」
見回すと、3人は一様に首を横に振った。

「アイツに惚れたアルか?」
「か、神楽ちゃん!」
「いいんじゃねぇの?色恋なんざ自由にやりゃあ」
「そうですよ、さん」
「う、うん。ちょっと頑張ってみようかな・・・・・」

はドサリとソファーに腰を下ろすと、お盆で口元を隠した。
沖田の片思いが終わりを告げるのも、時間の問題・・・・・・?


「総悟ォォ!俺は応援するぞォォォ!そしてお妙さんと両思いに!!!!!」


外では近藤の叫びが木霊していた。


























CESIA様からのキリリクでした。
久しぶりの銀魂だったので緊張したァァ!!
沖田さんが恋をしたら、きっと気付かないうちに深みにはまりそう。
さんは新八の親戚で、銀さんの所に遊びに来たが、何時の間にか一緒に住んでた
という分かりにくい設定です。
CESIA様のみお持ち帰り可です。もちろん返品も・・・ッ!



05/5/6














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