俺が昼寝を好むのは、あの雲のように飛べる気がしたから 俺がここにいるのは、きみに会えるような気がするから 水色、きみ色、遠くへ飛んでった 草がぼうぼう生えてる裏庭は、あまり人が寄ってこない。 虫はいるし、草はチクチクするし。 だから俺はこの場所が好きなんだ。 MDのスイッチを入れて、適当な場所を探した。 ゴロンと横になって、雲を眺めているとだんだん眠くなってくる。 でももしかしたらあの子が来るかもしれない。 寝たらダメだと思えば思うほど瞼が重くなってくる。 好きな歌が流れているのに、ただ通りすぎていくようだった。 「あれー?あくたがわくん!!」 わざとらしく、ちゃんは俺を見下ろした。 重い瞼をこじ開けて、ちゃんの顔を映した。 「また寝てるの〜?その割には身長伸びないみたいだけど」 俺のほっぺたをむぎゅうと摘むと、にひひと笑った。 他の人に言われるとむかつくセリフが、ちゃんだと気持ちいい。 わかってるよ、なんでそんな風に思うのかなんて。 だけど当分は気づかない振りをしてたいんだ。 だって・・・・・気づかれちゃうから。 俺が必死に隠そうとしてる気持ちを。 もしかしたらもう気づいてるのかもしれないけど。 隣に座ったちゃんは、俺の耳からイヤホンを引っこ抜くと 自分の耳にはめた。 「あ!この曲知ってる」なんていいながら。 あの、そんなに引っ張ったら・・・・ 「あ、ごめん。ジローちゃんのイヤホン抜けちゃったね」 ちゃんはゴロンと横になると、俺の耳にイヤホンをはめた。 ちょっとくすぐったかたったけど、嬉しかった。 時々歌をくちずさんで、何がおかしいのかちゃんは笑った。 俺の髪の毛をぐしゃぐしゃとかき混ぜて、しまいには変な風に縛った。 俺はとうとう本気で眠くなってきてしまって、意識を飛ばした。 うぅー!と背伸びをすると、もう隣には君がいなかった。 太陽は真上にある。 きみ色に染まってしまった心のフィルターから空を眺めると、 水色だったはずの空は、やっぱりきみ色をしていた。 両耳にしっかり入っているイヤホンを確認すると、 みょうに嬉しくなって、少し笑った。 もう少しここにいるとしようかな ----------- *********************************** ジローでした。 さり気に気の利くヒロイン。 座ってる人と寝てる人だとイヤホンが抜けてしまう。 面倒ですね。 でもジロならOK!ハナも一緒に寝ますから! 04/9/11
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