「ちょっとごめんね」
触れた場所から熱くなっていく――――――

















触れた場所から愛になる























「な、なんで前を・・・・・・」
わたしの横にあったCD。周助はそれを取りたかったらしいのだけれど、 言ってくれればよかったのに。わたしの上をまたがなくたって。 柔らかい日差しが差し込む周助の部屋。わたしと周助はベッドに寄りかかって座っていた。 他愛の無い話。ただそれだけでも緊張するのに、どうしてこういうことをするかな。
「ん?どうしたの?」
視線に気が付いたのか周助がやんわり笑う。わたしも笑う。
この部屋は空気が薄いと思う。
だってとても息苦しい。

「だ、だから言ってくれれば取ったのに」
CDを指差すと、「あぁ」と言ってCDを眺めた。わざとだ。分かっててやってるんだ。 それだけは確信できる。付き合って3ヶ月経つのに、「キスしていい?」って未だに 聞くんだもん。その度にこの頬は熱くなって「わざわざ聞かないでよ」と可愛くない 事を言ってしまう。その口に―――――周助が触れる。とてもやさしく。

は可愛いね」

息のかかる距離で、周助は言う。
キスをした、その唇で。

「なに?どうしたの?」
「え?はっ!な、なんでもない」
見つめてたのがバレてしまったようで、慌てて顔を逸らす。
「ふぅん・・・・・そう」
変な汗が出そうだ。
深呼吸をして、再び周助に顔を向ける。周助の目はCDのジャケットに注がれたまま。

「それって、周助の趣味?」
爽やかな森が描かれたそのジャケット。
周助にしては珍しいものを選んだな、と覗き込む。
「ううん、手塚に借りたんだ。リラックスできるからって」
「リラックス・・・・・」
手塚くんとは縁遠い言葉に、首を捻る。
あの人がリラックスする時間もあるんだぁ。

、顔に出てる」
「えっ!別に失礼な事は考えてないよ・・・!」
クスクスと周助が笑う。
わたしはいつもの様に見惚れる。

「ねぇ・・・・・キスしていい?」

いきなりの言葉に「はっ?」と拍子抜けした声を出してしまった。
「だからキ・・・・・」
「わーーー!だ、だからいちいち聞かないでって・・・・・」
CDをフローリングに置く音がした。
周助の手がわたしをまたいで体が近づいてくる。

「言ってるのに・・・・・・」
「ふふ・・・・・は可愛いね」

ほら、またそうやって。
いつだって自分だけが余裕なんだ。
この心臓の音が聞こえる?
いつか壊れてしまいそうよ?

「りんごみたい・・・・・」
「誰のせいだと―――――」
「僕りんご好きだな」
「―――――んっ・・・・」


触れたところからどんどん熱くなっていくの。
その熱は体中にまわって、心地よくわたしを酔わせていく。
まるで媚薬――――――


「君の毒でなら死んでもいい」


それはわたしのセリフだよ。
苦笑いを返す。

やさしい毒が、体中を駆け巡る――――――

























































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